鷹の爪
鷹の爪
第8号 2007年12月21日

平野武文税理士事務所 発行



 
酷暑の夏には、手足が悴むなど想像もしなかったのにやはり四季は巡って寒い冬はやってくるものですね。

我が事務所では、右の年季の入ったストーブも活躍しています。お湯も沸かせるしお餅も焼けて、エアコンより便利な一面に、なんともいえない愛着さえ感じています。何となく地球にやさしい気もしますし‥‥? 身も心もホットにほっとします。

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(知らなきゃ損が税務情報)








平成16年度法人税に関する税制改正のポイント

(1)欠損金の繰越控除期間が5年から7年に延長
○はじめに
改めて平成16年度の税制改正を取り上げるのは、この改正が、平成19年4月1日以後に開始した事業年度から関係してくるからです。少し分かりづらいので、下記に図入りで説明します。

○欠損金の繰越控除制度とは
企業の決算で生じた欠損金(赤字)を、翌期以降に繰り越して、利益(所得)と相殺することができるというものです。

○改正の内容
青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除期間及び青色申告を提出しなかった事業年度の災害による損失金の繰越控除期間などが、5年から7年に延長されました。

○改正の適用
平成13年4月1日以後に開始した事業年度に生じた欠損金から適用されます。

(下記の〔図〕へ)
3月決算の会社だと、図中の”6年目”が平成19年4月1日開始の事業年度となるため、平成13年4月1日開始の事業年度に欠損金額があれば、利益と相殺できることになります。

(2)帳簿書類の保存期間が5年から7年に延長
○改正の内容
①の改正に伴い、従前5年とされていた法人税に係る帳簿書類の保存期間が7年に延長され、帳簿書類の保存期間が一律7年になりました(「商業帳簿および営業に関する重要書類」については商法で10年間保存)。
延長される具体的な帳簿書類 改正前 改正後
棚卸資産の引渡し・受入れに際して作成された書類 納品書・送り状・貨物受領書など 5年 7年
棚卸資産の引渡し・受入れに際して作成された書類以外の書類 請求書・見積書・注文申込書・契約書など ※大法人は従来より7年

改正の適用
平成13年4月1日以後に開始した事業年度から適用されます

(3)法人税に係る更正期間期限の延長
○改正の内容
(1)の改正に伴い、従前5年とされていた欠損金額に係る更正の期間制限が7年に延長(※1)され、また、脱税以外の場合の過少申告に係る更正の期間制限も3年から5年に延長(※2)されました。

○改正の適用
上記※1は平成13年4月1日以後に開始した事業年度に生じた欠損金額から、上記※2は平成16年4月1日以後に法人申告期限が到来する法人税から適用されます。

○改正によって
税務調査で過少申告加算税などを追徴課税される期間が長くなったということです。その結果、これまでより多額の追徴課税が生じる可能性が出てくるということにもなります。

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テリマカシ

(テリマカシとはインドネシア語で「ありがとう」という意味です。)

日本酒

 日本酒は、すしブームと相俟って今や世界中で注目されるお酒となっており、輸出量もここ5年間で1.5倍近くになったそうです。対照的に本家の日本では焼酎ブームに押され消費量は減る一方です。
 日本酒が敬遠される大きな原因は、カロリーが高く、糖分が気になると思われているからのようです。しかし実際のカロリーは、どんなお酒でもアルコール1グラムにつき7カロリーと、同じであるようです。また、最近の医学研究では、日本酒の成分にはすい臓から分泌されるインシュリンが含まれており、逆に血糖値を下げるという研究結果も発表されたそうです。
 私見で恐縮ですが、日本酒の酔い心地は焼酎やウィスキーとは一味違う感覚を覚えます。気持ちが昂揚し、何かふぁっと心が浮いてくるのです。徳利を酌み交わすうちに、「むずかしい話は抜きにして、ともかく今日は飲みましょう。」といった具合になってしまいます。それで次の日はもう頭ガンガンです。その時はいつも後悔するのですが、飲みに行くとまたあの酔い口に誘われてしまいます。よく日本酒は二日酔いしやすいといわれますが、実は単なる飲みすぎのせいだと結論づけたほうがよさそうです。
日本酒の輸出が増えている  この時期、日本酒を互いに酌み交わしながら、大いに酔って、年忘れに励むのもいいと思いますが、皆様はいかがでしょうか。



アイムファイン

インフルエンザにご用心!!

 今月4日、北海道や関東、近畿、山陽地方でインフルエンザ患者が多数報告され、本格的な流行シーズンに入ったことが国立感染症研究所の調査で分かりました。昭和62年以降の20年間では最も早い時期での流行入りで、近年流行がなかった「Aソ連型」のウイルスが多いのが特徴だそうです。
 一昨冬は「A香港型」、昨冬は「A香港型」と「B型」が流行しており、「Aソ連型」の免疫を持つ人は少ないとみられています。厚生労働省は昨冬の消費量(約1900万本)を上回る約2520万本のワクチンを今シーズンに供給する予定です。しかし、接種から効果が出るまで2〜3週間かかるため、「一日でも早くワクチン接種をしてほしい」と呼びかけています。

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that's ファイナンス



ペイオフとは

 金融機関が万一破綻したときに預金者を保護するため、金融機関が加入している預金保険機構が、預金者に一定額の保険金を支払う仕組みのことです。個人や法人など、壱金融機関につき、壱預金者1千万円までの預金とその利息が保護されます。逆を言えば、1千万円以上の預金は保護されないことになります。
 平成17年4月からはペイオフ解禁の範囲が拡大され、「無利息、要求払い(*1)、決済サービス(*2)を提供できること」という3つの要件を全て満たす「決済用預金」に該当する預金のみが全額保護となります。決済用預金に該当しなければ、ペイオフの対象となり全額保護されないことになります。(ペイオフで保護される金額は壱金融機関ごとに壱預金者1,000万円までとその利息等が保護となります。

商品の種類

平成14年4月〜平成17年3月

平成17年4月〜

当座預金
普通預金
別段預金

全額保護

元本1000万円までとその利息が保護(*3)

定期預金
通知預金
定期積金
貯蓄預金等

元本1000万円までとその利息が保護
1000万を超える金額は、破綻した金融機関の状況に応じて支払われます。
(一部カットされることがあります)
(*1)預金者の要求に従いいつでも払い戻しができる口座。
(*2)引き落とし等ができる口座。
(*3)平成17年4月以降は、「無利息、要求払い、決済サービスを提供できること」という3条件を満たした当座預金などの決済用預金が全額保護されることになります。



税務用語・会計用語



累進税率とは

 年末調整の時期がやってまいりました。税務署から届く『年末調整のしかた』(説明書)の後ろの方のページには、下記のような表が載っています。これは、所得税の年税額を算出する表です。今回はこの表についてご説明します。
所得税の税率は累進課税といい、課税標準が大きくなるにしたがい課税標準全体に対してより高い税率が適用される税率構造になっています。つまり、所得金額が高い人ほど税率も高くなるのです。

所得税の速算表

 課税所得金額(A)

税率(B)

控除額(C)

税額=(A)×(B)-(C)

1.950.000円以下
① 1.950.000超 3.300.000円
② 3.300.000超 6.950.000円
③ 6.950.000超 9.000.000円
④ 9.000.000超 16.920.000円

 5%
10%
20%
23%
33%

  −
97.500円
427.500円
636.000円
1.536.000円

(A)×5%
(A)×10%-97.500円
(A)×20%-427.500円
(A)×23%-636.000円
(A)×33%-1.536.000円


例えば、(1)所得金額1,000万を一人で得た場合と(2)所得金額1,000万を二人で得た場合(500万に均等に分配)とでは税額が異なります。
 (1)の場合 (所得金額1,000万)×(所得税率30%)−(控除額123万)=(所得税額177万)
 (2)の場合 (所得金額500万)×(所得税率20%)−(控除額33万)=(所得税額67万)×2人
                                                    =(2人合計134万)
 よって(1)と(2)を比較してみると所得税を43万の軽減をする事ができます。
我が国日本は、累進税率を採用していますので、所得を分散するということは節税効果があるということになります。
(ただし、安易に所得分散することはできませんのでご注意ください)

 先にも延べた様に、所得が多くなれば税率も比例していきますが、課税所得金額にその税率を適用するのではありません。具体例を挙げると、所得700万だと税率23%だから、所得695万円にして税率を20%にした方がお得!!となるわけではないということです。

例えば課税所得が700万の場合、上記の表を使って税額を計算すると
                 7.000.000×23%-636.000=974.000円     となります。
この計算式の意味を段階に応じた計算で見てみると、
                 1.950.000×5%=97.500      
                 (3.300.000-1.950.000)×10%=135.000 
                 (6.950.000-3.300.000)×20%=730.000
                 (7.000.000-6.950.000)×23%=11.500
                               合計 974.000円 
ということになります。
税率23%は700万全額にかかっているのではなく695万を超える部分にだけかかっているのです。




年末のご多忙な時期に、最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今年も残りわずかとなりました。今回『アイムファイン』で取り上げたように、インフルエンザが流行っておりますので、風邪など召されないよう気をつけて、良いお年をお迎え下さいませ。
今回は『七色メガネ』のコーナーをお休みさせて頂きました。

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